ブログ│宗教法人 稱念寺

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住職法話4月「より良い人柄」

「友という 言葉も知らぬ 一歳が 泣いている子の頭をなでる」

京都・宝巖寺 小野上人から送られてきたハガキにこの句が添えてありました。

人間としての優しさ、いたわりがこの句にはあり、ほのぼのとした情景が浮かんできます。

何気ない日常の行動が幼い子どもの心を育んでいきます。

私たちは穏やかな優しい慈悲の心を持っているのですが、環境により人は変わっていきます。また立場によっても変化します。

「諸行無常」という仏教語がございますが、「諸行」とはこの世の全て「無常」とは常がない、続かない。すべてが変わっていくことであります。悪くもなり良くもなるのが心であります。

よりよい人間になりたい心は誰もが持っていることでしょう。でもいつの間にかその心が失われたときに、これではだめだと自分を顧みて反省する、それが「懺悔(サンゲ)」であります。

浄土宗のお勤めでは、「懺悔(サンゲ)」の偈文をお称えした後に十念、十遍お念仏をお称えするのであります。

法然上人のお歌に「雪のうちに 仏の御名を 称ふれば つもれるつみぞ やがてきえぬる」雪がとけるように、阿弥陀様の名号を称えれば、日頃積もっている罪でもたちどころに消えてしまうのです。
日々の暮らしのなかで、自分を見つめ直す時間はとても大切であり、自身のいたらなさに気づいたならば、懺悔をしてお念仏をお称えいたしましょう。よりよい人柄にさせていただけるように。合掌

4月掲示伝道

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住職法話3月「晋山式」

2015年産経新聞「朝の詩」

宮川 優さんの「凧」という詩をご紹介させていただきます。

 

凧が空高く飛べるのは 誰かが糸を

引っぱっているから でも凧は

その糸さえなければ もっと自由に

空を飛べると 思っている

その糸がなければ 地上に

落ちてしまうのも 知らずに

 

 

この「糸」は誰のことでしょうか?またはどんな意味があるのでしょうか?

それぞれに感じることはみな違うと思います。

自由とは気ままに生きることでもなく、そこには義務があります。

 

私の弟子が3月12日に晋山式を執り行います。コロナ禍で2年延期となりましたが、おかげ様で、待ちに待った儀式です。晋山式とは住職を拝命しお寺に入山することを意味します。

師匠と弟子、この糸は切っても切れない深い深い絆で結ばれています。

それがしがらみに変わらないように私も精進しておこがましいですが、導いていきたいと思います。合掌

 

3月掲示伝道

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2月掲示伝道

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住職法話1月「自分の命」

たとい七八十の齢を期すとも、おもえば夢のごとし。いわんや老少不定なれば、いつを限りと思うべからず。」《法然上人「十二箇条の問答」より》

[現代語訳] たとえ七、八十の長寿を数えても、人の一生など思えば夢のようなものであります。まして老いているとか若いとかいっても、人の寿命がいつまであるかなど誰にもわかりません。「自分は何歳まで生きるのだ」などと考えてはいけません。
平均寿命が八十才を超えるようになった現代。人は誰しもが、できることならば、健康で若さを保ちながら、病むこともなく、少しでも長生きしたいと願っております。
しかしながら、老いも病も絶対に避けることができない「苦」であります。大切なのは、この人生で真実の仏のみ教えに出遇い生死の迷いを超え、仏恩を報ずる生き方に目覚め得たかということでしょう。

ある老人の話でございます。
「私は今年八十歳になりましたが、まだやりたい仕事や、やり残したことがあり、もう少し長生きしたいので、和尚さんは非常に御高徳なお方ですから一つ長命のご祈祷をお願いしたいと思って来ました」
「わかりました、では何歳位まで長生きしたいのか。」
「百歳まで生きたいと思っています」
「百歳ですか、あと二十年ですよ。百一歳になればお迎えが来ますがそれでよろしいか」
「じゃもっとお願いできますでしょうか」
「遠慮せずに一体何歳まで長命したいのか言ってみなさい」
「はい、では百二十歳でお願いします」
「百二十歳でよろしいかな」念を押されると老人は不安そうになり、「まだまだ寿命はいただけますでしょうか」
「まだまだ寿命は伸ばせるぞ、いっそのこと無量寿の祈祷をしてはどうじゃな」
「え?死なぬ祈祷がございますか、ではそれでお願いします」
と言ったそうです。
この死にたくないというのが、人間の本音でしょう。
私たちは「寿命」を授かっています。字のごとくよろこばしい命であります。
寿命が尽きたならば、死がそこにあります。願望に翻弄されることなく、現実をしっかりと見ることであります。
法然上人は阿弥陀様の慈悲を信じて一筋に念仏を称えなさいとお示ししております。極楽浄土に往生させていただき、「無量寿」の命を得ていただくためには、喜んで念仏を申す人にならせていただきたいものです。                   合掌