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住職法話2月「言葉の大切さ」

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言葉や会話はとても簡単なことのようですが、悪気がなくても気づかないうちに誰かを傷つけることもあります。その反面、人を救うこともでき、癒すこともできます。言葉とは自分の考えや心を伝えるための重要な手段です。

言葉はお金がかからない、タダであるからといって、思ったことを次々に口にするのではなく、言葉の力を理解して、お金のように考えて使うことが大切であります。

震災での出来事ですが、市役所の人が必死でおにぎりを届けていました。そうすると、「おじいさん、おにぎりを戴きました。一つしか当たりませんから半分ずつ戴きましょう。有り難いことです。すみませんね」と老婦人が有難くそのおにぎりを受け取っていました。ところが、その隣の老夫婦の主人は、「今何時だと思うとるんや。夜中の十一時過ぎやぞ。わしら、朝から何も食べとらんで。水も飲んどらんのや。それなのに、こんな冷たいおにぎり一個か。お前ら、わしらに死ねというのか」と、物凄い剣幕でかみついていたのでした。

おにぎり一個という現実は同じでも、その人の心の持ち方ひとつで、ほのぼのとした温かさを感じる人もいれば、怒りをぶちまける人もいます。心は言葉に表れるといいますが、正に感謝の気持ちを素直に持てるか、心の中が自然と外に、表情に、言葉となって出てくるものです。

 

  たった一言が人の心を傷つける

  たった一言が人の心を温める