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住職法話7月「愚痴から感謝へ」

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やっと梅雨に入りました途端に雨ばかり。嫌な時期ですが、雨も恵みと受け取りましょう。

昔昔一人の老婦人が住んでおりました。

この老婦人は寝てもさめても、天を見上げては終始泣いていることから、「泣き婆さん」と呼ばれていました。

ある日のこと泣き婆さんの噂を聞きつけ、和尚さんが哀れに思い、その家を訪ねました。「あなたは毎日泣いているが、何がそんなに悲しいのか」

「私には2人の娘がいます。一人は傘屋に嫁ぎました。天気が良い日は傘が売れず辛い思いをしているだろうと考えるだけで、涙があふれてくるのです。もう一人は下駄屋に嫁ぎました。雨の日は下駄が売れず辛いだろうとまた涙が出てくるのです。」

和尚さんは微笑んでこう諭しました。「あなたの考えは正反対ですよ。晴れたら下駄屋の娘が喜んでいると笑い、雨が降ったら傘屋の娘が喜んでいると考えればどれだけ楽でしょう」それを聞いてから老婦人はニコニコ笑顔で暮らすようになりました。

まーこれは笑い話ですが、この中には重要なことがあります。人間は苦楽の世界に住んでいますが、苦しいことばかりしか考えられないと、地獄の世界に住んでいるのと同じです。

生きていくことは本当に辛いことが多いですよね。いつの間にか腰が曲がり白髪になって老いてゆくこと。

「朝起きて 夕べに顔は 変わらねどいつの間にやら 年は寄りけり」

いつまでも元気でいたいと願っていても、病気し、思うようにならないこの体を横たえている身の辛さ。

私達はそれでも、この悲しみや苦しみを乗り越えて生きていかねばならないのです

『誰にだってあるんだよ、人に言えない苦しみが

誰にだってあるんだよ、人に言えない悲しみが

ただ黙っているだけなんだよ、言えば愚痴になるから』(相田みつを)

愚痴の言葉から感謝の言葉に変えていきましょう。