オフィシャルブログ

住職法話11月「努力」

このエントリーをはてなブックマークに追加
Bookmark this on Livedoor Clip
Bookmark this on Yahoo Bookmark
LINEで送る

昔、ヒマラヤの奥地で,修行をしているオウムがいました。すると山火事が発生。山に住む動物たちは「逃げろー火事だー」とライオンを筆頭に大移動を始めました。ところが、オウムだけが大火にむかって飛んでいきます。

それを見たライオンは叫びます。「何をしている、早く来るんだ」

「僕は残る残って火を消したい」そう言って、オウムは近くの池に頭から突っ込み、羽を濡らして炎へ向かいました。燃え上がる大火の上から、パタパタと羽ばたいてわずかな滴をおとすのです。もう一度、池へ。もう一度、もう一度。オウムの羽はじりじりと焼け、翼が小さくなっていきました。それでも彼はあきらめません。

その姿を見ていた天人がオウムに聞きました。
「オウムよ。なぜそこまでするのか」するとオウムは言いました。
「この樹木さんたちは僕が休める寝床をずっと与えてくださったから。
暑いときには木陰を、寒いときには葉の布団を、寂しいときには、その懐で僕をずっと癒してくれたんだ。僕は恩をかえしたい」
次に神はこう聞きます。
「お前の小さな翼でこの大火を消せると思うのか」炎に立ち向かう小さな命はこう言いました。
「今、できることをさせてもらうんだ。出来そうにないことだからやらない、という生き方は違う。僕が今できることを、僕はする」
そう言って、オウムは、何度も何度も何度も池に飛び込んではメラメラと樹木を焼き尽くす炎へ突っ込んでいきました。
その強い意志と懸命な姿に大いなる神は心を動かされ、晴れ渡る大空に大雲を生み
大雨を降らせ鎮火させたのです。
力尽きて堕ちていったオウムは、大樹の枝に受け止められていました。
私たちは、ついつい結果ばかりを気にして、どうせやっても無駄だろうと諦めてしまう。精一杯物事に取り組み、その一瞬、一瞬努力したい。

「人生には努力した分だけの価値がある」